家事育児の合間に 短い仮眠で心身をリフレッシュ
常に疲労を感じている方へ
毎日、育児や家事に追われ、ご自身の心身の休息を十分に取れていないと感じることはございませんか。終わりのないタスク、予測不能な子供の対応、それらに伴う慢性的な疲労感は、心身のゆとりを奪いかねません。
まとまった睡眠時間を確保することが難しい日々の中で、日中の短い休息が心身をリフレッシュし、その後の活動の質を高める助けとなることがあります。今回は、特に時間のない方でも取り入れやすい、「短い仮眠」の効果と実践方法についてご紹介いたします。
短い仮眠(パワーナップ)の効果
「仮眠」と聞くと、かえって夜眠れなくなるのではないか、時間を取れない、といった懸念を持たれるかもしれません。しかし、ここでご紹介する短い仮眠は、一般的に「パワーナップ」とも呼ばれ、適切に行うことで疲労回復や集中力向上に効果が期待できるものです。
短時間の仮眠は、脳の疲労を和らげ、覚醒レベルを高めることが知られています。これにより、注意力が回復し、作業効率が向上する可能性がございます。また、心身のリラックス効果も期待でき、午後の活動への意欲を高めるきっかけとなり得ます。
重要なのは、深い睡眠に入りすぎる前に目覚めることです。深い睡眠段階(徐波睡眠)に入ってしまうと、目覚めた時にかえってだるさや眠気を感じやすくなることがあります。これを「睡眠慣性」と呼びますが、短い仮眠はこの睡眠慣性を最小限に抑えることを目指します。
効果的な短い仮眠の取り方
それでは、日中の短い仮眠を効果的に行うための具体的な方法をご紹介します。
時間は15分から20分程度を目安に
仮眠の時間は、15分から20分程度が理想的とされています。この時間であれば、多くの場合、深い睡眠に入る前に目覚めることができます。タイマーやアラームを必ずセットし、寝過ごさないように注意しましょう。
午後早い時間帯がおすすめ
概ね午後1時から午後3時頃までの時間帯が、生理学的に眠気を感じやすく、仮眠の効果を得やすい時間帯と言われています。夜の睡眠への影響を避けるためにも、あまり遅い時間帯の仮眠は避けるのが望ましいでしょう。
場所と体勢
理想的には、静かで少し薄暗い場所で、横になって体を休めることができればよりリラックスできます。しかし、現実的には難しい場合が多いでしょう。その際は、ソファや椅子に座ったままでも構いません。背もたれに寄りかかり、頭を支えるなど、できるだけ楽な体勢を取りましょう。アイマスクやブランケットなど、ちょっとしたアイテムがあると、より快適に過ごせるかもしれません。
眠れなくても大丈夫
「横になっても眠れない」ということもあるかもしれません。しかし、無理に眠ろうとする必要はありません。ただ目を閉じて体を横にするだけでも、心身を休める効果は十分にあります。脳への情報入力を遮断し、安静に過ごすだけでも、疲労回復につながります。
目覚めをスムーズにする工夫
仮眠前にコーヒーなどカフェインを含む飲み物を少量摂取しておくと、15分〜20分後にカフェインの効果が現れ始め、比較的スッキリと目覚めやすくなるという方法もあります(カフェインナップ)。ただし、カフェインの感受性は個人差がありますので、ご自身の体質に合わせて試してみてください。
日常に取り入れるためのポイント
忙しい日々の中で、仮眠のための15分〜20分を確保するのは簡単ではないかもしれません。しかし、少しの意識と工夫で、意外と時間を捻出できることもあります。
- 「スキマ時間」を探す: お子様がお昼寝している時間、朝食後の片付けが一段落した後の短い時間、夕食の準備を始める前の時間など、日々のルーティンの中に自然と発生する数分の余裕を見つけてみましょう。
- 完璧を目指さない: 毎日必ず決まった時間に仮眠を取る必要はありません。特に疲れていると感じた日や、集中力が切れそうだと感じた時にだけ取り入れるだけでも効果はあります。
- 家族と共有する: 可能であれば、パートナーや家族に「この時間だけ少し休みたい」と伝え、協力をお願いしてみるのも良いでしょう。
まとめ
日々の育児や家事に追われる中で感じる疲労は、短い仮眠を取り入れることで軽減できる可能性がございます。15分から20分程度の短い時間でも、脳や体をリフレッシュし、午後の活動への活力を養うことができます。
「横になる時間なんてない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは目を閉じて数分間静かに座っているだけでも、心身は休息を始めます。完璧な形にこだわらず、ご自身の状況に合わせて、できる範囲で短い休息を取り入れてみてはいかがでしょうか。ほんの少しの時間でも、日々の疲れを和らげる一歩となることを願っております。