家事や育児の合間にできる「ながら」休息術
絶え間ない毎日のなかで、心と体を休めるために
日々、家事や育児に追われ、ご自身の休息時間を十分に確保できていないと感じている方は少なくないのではないでしょうか。朝から晩まで、やるべきことに追われ、気がつけば一日が終わっている。そんな生活のなかでは、心身の疲労は蓄積する一方かもしれません。
まとまった休息時間が取れない状況でも、日々の生活の「合間」や「ながら」の動作のなかで、意識的に心身を休める工夫を取り入れることは可能です。こうした短い時間の積み重ねが、結果的に大きなリフレッシュにつながり、心身の余裕を取り戻す助けとなります。
この記事では、特別な時間や場所を必要とせず、日々の家事や育児の合間に実践できる「ながら休息術」をご紹介します。疲労感を少しでも和らげ、毎日を穏やかに過ごすためのヒントとしてお役立ていただければ幸いです。
家事や育児の「ながら」でできる具体的な休息術
ここでは、特定の状況や動作と組み合わせて無理なく実践できる休息術をいくつかご紹介します。
1. 立っている合間にできる体のケア
料理中や洗い物をしている間など、立っている時間が長い時に試せる方法です。
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足首回し、膝の屈伸:
- シンクの前などで片足立ちになり、足首をゆっくりと数回回します。反対回しも同様に行います。次に、膝を軽く曲げ伸ばしします。バランスが心配な場合は、壁や作業台に手をついて行っても良いでしょう。
- 効果: 血行が促進され、足のむくみやだるさの軽減に役立ちます。
- 実践のポイント: 無理のない範囲で、リラックスして行いましょう。
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肩甲骨回し:
- 両肩を耳に近づけるように上げ、後ろへゆっくりと回します。これを数回繰り返します。次に、前回しも同様に行います。
- 効果: 肩周りの筋肉の緊張が和らぎ、肩こりの軽減が期待できます。
- 実践のポイント: 大きくゆっくりと動かすことを意識しましょう。
2. 座っている合間にできる心のケア
洗濯物をたたむ時間や、お子様が隣で遊んでいる間など、座って作業をしている時に試せる方法です。
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深呼吸:
- 椅子に座り、背筋を軽く伸ばします。鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませるイメージで数秒間保持します。次に、口から細く長く、全ての空気を吐き出すように息を吐き切ります。これを数回繰り返します。
- 効果: 自律神経のバランスを整え、心身のリラックス効果が得られます。集中力アップにもつながります。
- 実践のポイント: 呼吸だけに意識を向け、雑念を手放すように努めましょう。
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手のツボ押し:
- もう片方の手の親指を使って、手のひらの中心にある労宮(ろうきゅう)というツボを軽く押します。また、親指と人差し指の付け根の間にある合谷(ごうこく)というツボもおすすめです。
- 効果: 労宮は心身の疲労やストレス軽減に、合谷は全身の血行促進やリフレッシュに良いとされています。
- 実践のポイント: 強く押しすぎず、心地よいと感じる程度の力加減で行いましょう。
3. 移動中や待ち時間にできる感覚のリフレッシュ
お子様の送迎で歩いている間や、習い事の待ち時間など、細切れの移動時間や待ち時間に試せる方法です。
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外の景色を眺める:
- 窓の外や歩きながら見える空、街路樹など、身の回りの景色に意識を向けます。風景の色彩や形を観察してみましょう。
- 効果: 視覚からの刺激が脳をリフレッシュさせ、気分転換になります。
- 実践のポイント: スマートフォンから目を離し、意識的に視線を外へ向けましょう。
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好きな香りを嗅ぐ:
- 持ち歩ける小さなアロマスプレーや、香りの良いハンドクリームなどを活用します。待ち時間などに、ゆっくりと香りを吸い込んでみましょう。
- 効果: 香りは直接脳に働きかけ、リラックスやリフレッシュ効果をもたらします。
- 実践のポイント: ご自身が心地よいと感じる香りを選ぶことが大切です。
4. 五感を意識した「ながら」休息
日々の様々な動作のなかで、五感を意識することで、何気ない時間が休息の時間に変わります。
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飲み物をゆっくり味わう:
- お茶やコーヒーなどを飲む際に、ただ飲むのではなく、カップの温かさ、立ち上る香り、口に含んだ時の風味を意識して、ゆっくりと味わいます。
- 効果: 飲み物に集中することで、一時的に思考から離れ、マインドフルな状態に近づけます。
- 実践のポイント: 数分間でも良いので、意識を飲み物に集中させてみましょう。
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肌触りを意識する:
- タオルやブランケット、洋服などの肌触りを意識してみます。心地よいと感じる素材を意識的に選ぶのも良いでしょう。
- 効果: 心地よい触覚刺激は、安心感やリラックス効果をもたらします。
- 実践のポイント: 日常的に触れるものの質に少しこだわってみるのもおすすめです。
まとめ
家事や育児に追われる日々では、ご自身の休息を後回しにしがちかもしれません。しかし、心身の疲労を溜めすぎないためには、短い時間でも意識的に休息を取り入れることが重要です。
今回ご紹介した「ながら休息術」は、どれも特別な道具や場所を必要とせず、日々の生活の合間に実践できる簡単な方法ばかりです。完璧に全てを行う必要はありません。まずは一つでも、ご自身が取り組みやすそうなものから試してみてはいかがでしょうか。
日々の小さな「ながら休息」の積み重ねが、心身の負担を少しでも軽減し、皆様の毎日をより穏やかで豊かなものにする一助となれば幸いです。ご自身の心と体を労わる時間を、大切にしていただければと思います。